札幌で2泊3日6000円の産後ケアがスタート!さんさん助産院見学レポート
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札幌市清田区のさんさん助産院さんで産後ケア入院を体験してきましたのでレポートさせていただきます。
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産後ケア(産褥入院)とは? 札幌市でも補助がスタート!
産後ケア入院(産褥入院)を知っていますか?
産後ケア入院とは、出産後の母親のサポートや休息を目的に、助産院などが母子を受け入れる入院のこと。
実家のサポートの受けられない方や、育児不安の強い方などを中心に利用が広がっています。
こちらの記事でもご紹介しています。
>>「産褥入院とは?」
厚労省で「産前産後ケアから子育てまでの切れ目ない支援」という方針も打ち出され、ここ数年、全国で産後ケア入院を受け入れる施設が増えてきました。
ただ、産後ケア入院は1日3万円が標準で、利用のハードルは高め。
そのため、費用を補助する自治体が増えています。
2016年9月からは、札幌市でも産後ケア入院への補助(利用額の90%を市が負担)が始まることになりました。
札幌市産後ケア事業のページへ
今回、ご縁があって札幌市のさんさん助産院さんを1泊2日で見学してきました!
訪問のきっかけ
今回さんさん助産院を訪問させていただいたのは、昨年末、育休で得するウラ技の記事に応援コメントをいただいたのがきっかけでした。
助産師の大友先生と電話でお話し、さんさん助産院の産褥入院(産後ケア)料金その他基本情報という記事も書かせていただきました。
その後、メールで何度かやりとりをする中で、「いつか見学にいらっしゃってください」と書かれていたのを真に受けて、この夏休みに3歳児と11ヶ月児を連れて本当にお邪魔してしまいました(笑)
さんさん助産院さんまでのアクセス
さんさん助産院さんは、札幌市清田区の住宅地にあります。
最寄駅は地下鉄東豊線福住駅、東西線南郷18丁目駅、東西線大谷地駅ですが、駅からは少し離れています。
私は地下鉄とタクシーで行きました。
南郷18丁目駅から。

エレベーターで地上に出ると目の前にタクシー乗り場が。

ちょうどすぐにタクシーが来て、乗ることができました。
助産院に到着。
チェックイン時間は1時ですが、到着したのは2時半頃でした。

来客用の駐車スペースは1台分程度はあるとのことでしたので、入院時の自家用車利用は可能です。
(その後の駐車については要相談だそうです。)

助産院でのすごし方
助産院に産後ケア入院した場合、到着後はどう過ごすということは特に決まっておらず、利用者の希望にあわせてということでした。
通常は、赤ちゃんや母乳の状態のチェックをしていただき、赤ちゃんを大友先生に預けてお母さんは昼寝をしたり、余裕があればリラクゼーションを受けたりということになると思います。
パンフレットではこんなモデルケースが書かれています。

(このパンフレットは、仮予約時に郵送していただけます。)
おそらく、「何をしてもらえるか」よりは、「自分が何を不安に思い、何をしてもらえば負担が軽減するか」を助産師さんと話し合うことが大切なのだ思います。
私の場合は、産院退院時の不安は、母乳のこと(胸が張って痛い)と、寝不足からの疲労でした。
出産後はいきなり生活の中に赤ちゃんが登場して、それだけでも戸惑うのに、2~3時間おきに授乳しなければならず、とにかく気が休まりません。
そんなときに、「ちょっとでいいから誰かに赤ちゃんを預けて横になりたい」とずっと感じていました。
さんさん助産院さんは、そんな出産直後の産婦さんのリクエストに応えて赤ちゃんの預かりもしてくださるので、とてもありがたいです。
今回私は出産直後の利用ではなかったので、助産院内の各部屋を見せていただき、子どもを保育士さんに預けて大友先生のお話を伺いました。
助産院内の設備とサービス
さんさん助産院は、大友先生のご自宅(5LDK)で、旦那さまとお二人でお住まいです。
1階は共有スペース(デイルーム)、台所があります。
2階から撮影したデイルームの様子。

これ以外に、1階にはご夫婦の部屋(2室)があります。
この階段でデイルームから2階へ上ってきました。

2階は産後ケア利用者専用のスペース。
部屋は3室です。
廊下の左に2室、右に1室。

利用者共用のトイレ、シャワールームが2階にあります。

洗面台は各室にありました。
髪も洗えるシャンプードレッサーでした。

私は3号室を利用させていただきました。

授乳しやすそうなソファもあります。

備え付けのデスクと椅子。

デスクの上には、アメニティセット(スリッパ、シャンプーなど)、タオル、ドライヤー、ティッシュ、内線電話が。

冷蔵庫には浄水器の水が入っています。

おむつ用ごみ箱、ごみ箱、タオルかけも。

夜は布団をひいていただきました。

自宅のように落ち着く部屋でした。
他にはベッドの部屋もありました。

インテリアが可愛かったです。

飲み物は、冷蔵庫の水だけでなく、2階の廊下の端にポットがあります。

引き出し内にティーバッグやカフェインレスコーヒーが置いてあり、セルフサービスで温かい飲み物を飲むこともできます。

助産院オリジナルのカフェインレスコーヒーでした。

助産院は住宅地にあり、とても静かな環境でした。
すぐ北側は小学校で緑がきれいでした。
これは1階北側(台所横)の窓から外を撮影。

赤ちゃん用の沐浴スペースは設けてありません。
利用者の自宅での沐浴方法を聞いてそれにあわせて沐浴してくださるそうです。
風呂でベビーバスを使うならその方法で、洗面台で沐浴するなら洗面台でやって、希望があれば沐浴指導もしていただけます。
到着した日の夕食はこちら。冷やし中華でした。

デイルームで頂きましたが、自室で食べることも可能だそう。
おかずも多種類です。
冷奴、春巻、お漬物、なすのおひたし、おにぎり。

自宅では子どもを見つつこんなに準備できないので、嬉しいですね。
息子の分も準備していただきました。オプション料金1食700円です。
三色丼までついていました!

こちらが朝食です。

どれもとても美味しかったです。

出産後にはこういう家庭料理が一番ですよね。
料金
産後ケア入院は、1泊3万円+税。
札幌市の産後ケア事業の助成を受けると90%引きの3,000円となります。
詳しくはこちらの記事で書いていますので、どうぞご覧ください。
>>さんさん助産院の産褥入院(産後ケア)料金・持ち物など
さんさん助産院大友先生のお話
さんさん助産院院長の大友先生にお話を伺いました。
大友先生は1968年生まれ。
利尻富士町のご出身です。
1991年に助産師資格を取得後、産院や病院での勤務を続けてこられました。
以前は大阪の産院でお産を担当されていましたが、出産後のお母さんのサポートが足りないと感じるようになり、産後ケア施設を開くことを目標に札幌に戻ってこられたそうです。
そして助産院にぴったりの間取りのこの家を見つけられ、2014年3月にさんさん助産院を開かれました。
さんさん助産院では産後ケア入院だけではなく、「さんさん教室」という母親学級のようなイベント(無料)や、ベビーマッサージ教室(500円)、育児中のお母さんのための集いも実施されています。
>>さんさん教室(母親教室)
>>さんさん助産院のベビーマッサージ教室
産後ケア入院の時だけではなく、産前・産後・育児期を通じ、継続してかかわってくださる体制になっており、地域のお母さんのための育児の拠点にもなっていると感じました。
大友先生はさんさん助産院が「第二の実家」のようになれたらと話しておられましたが、その言葉のとおり、あたたかく、良い距離感で見守ってくださる場所だと感じました。
私の家の近くにもこんな場所があればいいのになあと思ってしまいました。
さんさん助産院の特徴
さんさん助産院を見学して感じた特徴をまとめました。
(ただ、私は札幌市内の他の助産院さんを見学しておらず、産後ケア入院可能な他の助産院ではどういう取り組みをされているか調べられていません。あくまでも、私が見学した一般的な助産院と比較して感じた特色ですので、その点につきご理解をお願いいたします。)
お産を扱っていない
さんさん助産院さんの特徴は、なんと言っても「お産を扱っていない」ということ。
助産院では一般にお産(分娩)を扱っています。
私が第一子出産後に入院した助産院ではその日、他の妊婦さんが陣痛で入院されて来て、お産が始まりました。
そのため、助産院全体がバタバタした雰囲気で、助産師さんもお忙しそう。
ちょっとした用事や質問があっても助産師さんに声がかけられませんでした。
(入院初日でそのお産は終わり、その後はまったく問題を感じなかったのですが・・・)
「私の考える、理想の産褥入院」という記事でも書いている通り、助産院の経営上の問題もあり、わがままなリクエストだな思うのですが、お産のない施設に産後ケア入院するのが私の理想です。
さんさん助産院のように産後ケアに特化した施設であれば、「お産と重なったら」という心配がなく、遠慮なく手厚いサービスが受けられるのがメリットだと感じます。
一人の助産師さんが運営
さんさん助産院のもう一つの特徴は、助産師の大友先生がお一人で運営されているということだと思います。
たとえば、私が産後入院した施設では、院長の助産師さん以外に複数の助産師さんが在籍されていました。
さらにはお料理担当のスタッフの方と、助産師学校の実習の学生さんもおられました。
そのため、入院中の担当助産師さんは毎日のように変わりました。
これほど人数が多いのは珍しいかもしれませんが、院長先生と若手の助産師さんの二人で運営されていたり、繁忙期だけパートの助産師さんがいらっしゃるというのは、一般的な助産院のスタイルのようです。
もちろん、助産師さんが複数いるのは必ずしもデメリットということではありません。
私は助産院入院中に複数の助産師さんとお話することで見えてくるものもありました。
ただ、さんさん助産院のように、一人の助産師さんにじっくりかかわってもらって産後サポートを受けるというスタイルは一つの理想形だと思いました。
生活スペース
さんさん助産院は、ご自宅の一部で運営されています。
そのため、大友先生ご夫婦の生活スペースと、助産院のスペースが一部重なっています。
(ご夫婦の自室・ダイニングが助産院のデイルームに隣接しています。玄関は共用です。)

利用者の部屋・トイレ・シャワーは2階にあり、そちらはご夫婦の生活スペースとは重なっていないのですが、周囲が静かなだけに、お互い生活音は聞こえると思います。
私はまったく気にならなかったのですが、このレイアウトでも気兼ねなく過ごせるかどうか、事前に見学して確認されるのが安心だと思います。
なお、大友先生の旦那さまは日中はお勤めに出ておられて、帰宅後に調理を手伝っておられました。
ホームページ管理や、ブログの写真撮影も担当されているとのことです。
ですので、「大友先生お一人で運営」というよりは、ご夫婦で協力して運営されている助産院という印象でした。
いずれにしても、助産院の方針や雰囲気というのは実際に見学してみないと分からないものなので、産後ケア入院を希望される場合は、出産前に実際に見学されることがとても大切だと思います。
上の子連れなら一時保育利用可能
今回、子ども二人を見ながら大友先生にお話を伺うのは無理だろうと思い、ベビーシッターさんを依頼していました。
大友先生にご紹介いただいた保育士の澄川智子さんです。
札幌市内・近郊へ出向いて保育、または保育士さんのご自宅で預かっていただく「とんちゃん保育園」を運営されています。
今回は、ブロックなどのおもちゃを持ってきていただけて、上の子(Kくん 3歳)は大喜び。ずっと歓声を上げて遊んでいました。

上の子を連れて産後ケア入院する場合もこんな感じで助産院内で見ていただけるそうです。
とんちゃん保育園は、障害をお持ちのお子さんや、病気回復期のお子さんの保育にも対応しているとのこと。
経験豊富でとても頼りになる保育士さんだと思いました。
楽しく遊んでくださってどうもありがとうございました。
札幌で一時保育・ベビーシッターさんをお探しの場合はぜひどうぞ。
とんちゃん保育園のFacebookページ
見学中、下の子は膝から下りず・・・
ただ、予想外だったのは、下の子(Cちゃん 11ヶ月)がずっと私の膝から下りなかったこと。
今まで保育園の一時保育に預けたときはご機嫌だったので、上の子と一緒に見ていただこうと思っていたのですが、旅行中に後追いが始まってしまいました。
抱っこしたままではまともな写真が撮れない・・・。

(そういえば、韓国の産後ケア見学ツアーに行ったときもKくんが1歳半でこんな感じだったのを思い出しました。)
そのため、アメニティセットの写真を撮り忘れたり、お話を伺ったときのメモの字が読めなかったり・・・
いろいろ不手際はあったのですが、とても詳しく助産院運営についてのお話を伺うことができ、大友先生の産後ケアにかける思いや開業までのお話などにも感銘を受けて帰ってきました。
見学させていただき、どうもありがとうございました。
ご利用される方へ
札幌市産後ケア事業
札幌市にお住まいで、生後4ヶ月までのお子さんのおられる方は、なんとこの産後ケア入院が格安で利用できます!
札幌市内の助産院が共通で以下の金額となります。
1泊2日 3,000円
2泊3日 6,000円
それ以外に日帰り利用も可能で、1日1000円です。
本来1泊30,000円のところ、札幌市が利用料金の90%を補助してくれるので、この金額で利用できるんです。すごいですね!
利用のさいはまず助産院に問い合わせて予約するところからスタートです。
詳しくは札幌市のページをご覧ください。
札幌市産後ケア補助事業のページへ
以下6件の助産所が札幌市産後ケア事業の対象となっています。
・あいの里助産院(北区あいの里4条4丁目6-12)
・ありじゅマタニティハウス(白石区菊水上町2条1丁目46-17)
・さくら助産院(東区北16条東14丁目1-10)
・つるべ助産院(白石区北郷3条2丁目13-8)
・助産院エ・ク・ボ(西区発寒6条10丁目10-3)
・産後ケアハウス さんさん助産院(清田区清田1条4丁目3-60)
札幌市産後ケア事業では2泊3日が最長
札幌市産後ケア事業は、とてもお得な仕組みなのですが、残念ながら2泊3日までしか補助が出ません。
(「1家庭につき通算4日」とあり、「2泊3日の利用+1日の日帰り利用」が最大です。)
ですが、大友先生に伺ったところ、産後の体の回復のことを考えると、3泊以上の利用を推奨したいとのことでした。
産後ケア入院を二度体験した私も同意見で、本当は、産院を退院した直後に、1週間ぐらい入院するのが理想だと思います。
2泊3日ではゆったりできるのは中一日で、産後の体を回復させるという産後ケア入院の効果はあまり感じられない気がします。
ただ、現状では札幌市の予算の関係で日数に制限があります。
その点が残念だなあと感じました。
ただ、2泊3日の滞在のあと、延泊が絶対に不可能ということではないようです。
(札幌市に問い合わせると「2泊3日で必ず退院が必要」といわれるのですが・・・詳しくは助産院見学のさいご相談をお願いします。)
出産前の見学がおすすめです!
この記事をご覧になって実際に産後ケア入院の利用を考えられている方は、ぜひ出産前に見学をされるようおすすめします。
「出産してから、もし大変だったら行くかどうか考えよう」と思われるかもしれませんが・・・
出産後に大変だと思っても、疲れた体で赤ちゃんを見つつ、【問い合わせ→予約→荷物準備→利用】という作業をするのは不可能に近いと思います。
産後は、「あとちょっとだけ頑張れば好転するかも・・・」と思ってしまうので、疲れが蓄積していってしまいます。
(それに、一日一日楽になるのは事実なので、「行く」と決めておかなければ、タイミングを逃してしまうと思います。)
また、助産院というのは、それぞれ雰囲気が大きく違います。
一度は助産院を訪れ、助産師さんともお話をして、違和感なく利用できるかどうかをチェックしておかれることが、何より大切だと思います。
出産直後の負担が少しでも軽くなるよう、ぜひ産後ケア入院を上手に利用してください。
札幌市の補助事業は、2016年9月1日からスタート。産後4ヶ月まで利用できます。
さんさん助産院の産後入院についての詳しい情報はこちらのページをどうぞ。
産後ケア入院|さんさん助産院
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